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さぁ、金を語ろうか

砂金の大きさ―粉金からナゲットまで

砂金と聞いて、皆さんはどれぐらいの大きさを思い浮かべるでしょうか。袋の中に入った目に見えてつまめるサイズを思い浮かべる方が多いのではないかと思います。確かに、昔はそのサイズがたくさん採れていたのでしょう。そうした砂金をもとに、金貨や小判などは作られていたのだと思います。

しかしながら、現代ではつまめるサイズの砂金はそう簡単に採れるわけではなく、さらに小さく細かいものが多いです。採取する川ややり方にもよりますが、一般的には1ミリ以下の砂金が多いと思います。中には肉眼で見えるか見えないか程度の極小サイズの砂金もあります。こうしたサイズの砂金を「粉金」とか「粉砂金」と呼んでいます。
粉砂金

3ミリ程度の砂金となると、見た目もしっかりしており、指でつまめることでしょう。厚みがあればさらに言うことなし。0.001グラム以上であれば、一般的な秤でも計量することが可能となってきます。3~5ミリサイズになると、0.01~0.05グラムぐらいあるものもあり、このサイズを数十個採れるようになると、ある程度の重さになります。0.1グラム以上あると一つにまとめて保管すると見ごたえがあり、収集した小瓶を振ってみると、砂金の良い響きを楽しむこともできます。0.1グラムぐらいのサイズになると、しっかりとした粒であり、採れると楽しくなります。こうしたサイズは「粒砂金」と呼ばれています。

さらに大きいサイズになると、パンニングをしている最中に途中で光り輝き、嬉しさが倍増します。一般的に、0.4グラム以上のものを「グレイン」、1グラム以上のものを「ナゲット」と呼んでいます。そう簡単に見つかるサイズではありません。厚みもあり、大きいため収集家や砂金堀り師にとっては是が非でも手に入れたいサイズです。

こうしたグレインやナゲットは、メガネ堀りと呼ばれる採取法で見つかることが多く、岩盤に挟まっていたり、鉄くずなどが集積する場所に潜んでいたりします。運が良ければ、川の中に入らなくても周囲の岩盤をよく見て回るとポツンと鎮座していることもあります。数年やっていてもナゲットを見たことがないという人の方が多いのではないでしょうか。こうしたサイズを見つけるには、努力と運が必要になると思います。

筆者も、最初は粉金サイズの採取から始まり、2~3ミリが出たら大喜びでした。特に東京や埼玉県などでは大きなサイズもなかなか期待できず、1ミリが複数採れれば最初の頃は満足して帰ったものです。それが徐々に進化し、行く場所も増え、5ミリサイズが採れるようになっていきます。採取する場所選びも変わっていきました。最初は教えていただいた場所を一生懸命採取し、後々なぜここで採取できるのかを考え、次にもう少し上流や下流でやったらどうなるか?採取範囲が広がっていきました。こうして成長を遂げていくと、採れるサイズの守備範囲も変わっていきます。そして、グレインやナゲットサイズを狙っていく。順序を踏んで筆者の場合は採取を行うことができたためか、場所場所でどういったところには大物がいそうか、採りやすい場所はどこかなど経験で覚えることができました。あと、あまり欲をかかないことでしょうか。欲をかけばかくほど採取できないと焦りが募り、結局坊主になる…。気分転換を図り、違う場所へ移動するなど臨機応変に対応することも忘れてはなりません。

まずは粉金や体験での砂金を採取し、これが金か!とわかるようになることが大切だと思います。金の輝きは小さくても変わりません。

東北地方で採取した砂金

一番大きいサイズで5ミリ前後、2~3ミリの砂金が続く。細かい砂金は1ミリ以下の粉金サイズ。粉金でも集めるとしっかりとした金の輝きを放つ。

2020年9月、砂金採りの入門書の発売決定!
それに先駆け、書籍の一部内容を限定先行公開
(2020年8月まで毎週金曜日更新)
日本で最初に金が見つかった場所とは?(2020年6月9日更新)
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