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さぁ、金を語ろうか

砂金採りはスポーツだ―世界砂金堀り大会がある

砂金採りと聞くと変わった趣味だね、とよく言われます。えぇ、確かに変わった趣味と思われるのは仕方がないのですが、日本だけのものではありません。むしろ全世界で行われており、スポーツ競技としても確立しています。世界砂金掘り大会も実施されているのです。

世界砂金掘り大会は、World Goldpanning Association(世界砂金堀り協会)が開催しています。1974年に最初の近代的な砂金堀り大会がフィンランドで開催されたこともあり、世界砂金堀り協会および世界砂金堀り大会はフィンランドにルーツを持っています。最初の世界砂金堀り大会はフィンランドのタンカヴァーラで開催され、10ヵ国が参加しましたその後、世界大会に出場する国々の代表が集まり、1981年に世界砂金堀り協会が結成されています。

実は日本でも、この世界砂金掘り大会が実施されたことがあることをご存じでしょうか。2002年8月26日から9月1日まで、アジアで初めてとなる世界砂金掘り大会が北海道の浜頓別町クッチャロ湖畔特設会場で開催されました。十六ヵ国、約300人の出場者による競技です。

クッチャロ湖畔特設会場には、競技水槽が並べられました。15~20キロの砂が入ったバケツから1ミリ前後の砂金を探す速さと正確さを競う競技です。個人戦と団体戦があり、初心者やジュニア、子どもの部も設けられました。

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(写真は、2017年スコットランド大会の様子)

この世界砂金掘り大会が日本で開催されたのは、浜頓別町にあった全日本砂金堀り協会による誘致が大きいといえます。全日本砂金堀り協会は、元々は砂金による村おこし・町おこしを行うほか、世界大会を誘致するため、国際的文化交流の発展に寄与することが目的でした。世界大会も誘致できたこともあってか、その後解散となり、現在日本は世界砂金堀り協会を脱会しています。そのため、日本で世界砂金掘り大会が開催されることは今後あるのかないのか・・・。誰かが懸命に中長期的なビジョンを持ち再起するしかないのでしょう。なお、全日本砂金堀り協会の解散に伴い、ウソタンナイ砂金堀り大会も2016年を最後としています。浜頓別町では、昔のゴールドラッシュの歴史と伝統を伝えるために、ウソタン砂金共和国のメンバーがウソタンナイ砂金採掘公園を建設しました。この公園で砂金堀り大会が長年行われてきたのです。砂金堀り大会はありませんが、2017年からは、誰でも砂金とウソタンの自然を楽しめるお祭りとして毎年8月にウソタン砂金フェスティバルが開催されています。

ちなみに、世界砂金堀り大会は、2021年8月2日から8月7日にかけて、カナダのユーコン準州にあるドーソン・シティで開催されます。2022年はポーランドのズオトリジャで開催予定です。世界砂金掘り大会や世界砂金堀り協会に興味を持たれた方は、以下のホームページを参照してみてください。

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